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北海道は日本的な伝承に乏しいところです。
子供のころに。日本の昔話を読んだり、聞いたりしても、なんか北海道の人間にはピンと来ないというか。
魂に熱く語るものがないというか。
まあ、空々しい、どこか違う世界のお話という感じででした。
日本の昔話といのは、どんな時代の話であれ、なんか江戸時代の文化に脚色されている気がするのです。
江戸文化がダメダメな北海道で、最も江戸文化を持ってたのは。松前でしょう。
松前藩がありました。
日本の城がありました。
テレビドラマではあの水戸黄門も来訪したことになってます。
そんな松前ですから、昔話のロマンのひとつもあるのです。
狂った松前藩主がたくさんの人の耳をそいで埋めた耳塚の話とか。
狂った松前藩主が家臣を殺して投げ込んだ井戸の話とか。
いや、そんな話ではなく・・・
「血脈桜」
タイトルはおどろおどろしいですが、ホラー系ではありません。
昔松前の寺である夜、住職の枕元に若い女が現れて泣きながら血脈を頼んだ。
血脈とは、死んだ人が 仏になれるようにお坊さんが与える書簡のことで、
たぶんキリスト教の免罪符と似たようなものであろう。
住職はめんどくさがりながらも、血脈を与えた。
翌日になって、前々から計画していたリハウスのために、植えてあった桜を一本切ろうとしたところ、
木に紙がくっついている。
住職がその紙を取って見たら、昨日自分が書いた血脈ではありませんか。
それで住職のファンタジー魂に火がついて、昨日の美人は「桜の精」にちがいあるまいと断定し、
お寺の拡張工事を中止したという話です。
大筋はこのとおりですが、こう書くと昔話としてのありがたみがありませんね。
この桜は現存しています。
「南殿」という品種で、松前にある南殿はすべて、この木から分けられていて、
この木は松前のすべての南殿の中で、毎期最初に花をつけるそうです。
血脈桜が満開の姿を見たかったのです。
今年ようやくかないました。

テーマ:花の写真 - ジャンル:写真
- 2010/05/10(月) 00:07:07|
- 渡島
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